面白半分 猫半分

人としての面白半分な日々と、猫とともに面白半分な日々。熊本在住。頭も半分、おバカさん。

そんたくの歯車。3・12

熊本はまぎれもなく地方都市で、地方都市の予算の半分以上は国からの仕送りで成り立っている。要するにいつまでたっても自立できないのだ。だから国には反論できない。

国の子分の役人には文句が言えない。生活はその小役人のさじ加減で左右される。だから言いたいことが言えない。そんたくの起源だ。小役人は損をしない。親方日の丸。失敗もしない。絶対負けない。責任も取らない。国は地方に補助金をばらまく。地方は更に地方の会社個人に補助金をばらまく。世の中は大きなそんたくの歯車で動いている。マスコミもそうだ。特に地元紙は大きな歯車の一つで、絶対、地元の悪口は書かない。全国紙は転勤があるから、地元にそんたくせずに、時に書きたいことを書く。みんな仲良しなんだな。そもそも苦虫をかみつぶしたようなとりつきにくい顔で付き合いの悪い僕は嫌われ者というか、友人が居ない。その方が気楽でいいのだがね。

もうだいぶ前、僕はたまたま知り合った人に誘われ、NPOの理事になって、農業支援の活動をしていた。その人も役人なのだけど。だが、その集団の堅苦しさに嫌気がさして理事を辞めた。(辞めたら冷たいんだこの人たち) 農家を支援するいい人にはとてもなれない性格なのだ。今でもその集団は農業支援をしていて活動も派手だ。壮大な革命、農業支援の様子が、マスコミにも取り上げられ、話題を集めた、その棚田で収穫されたお米はネットで即完売、県内外から視察団が多く訪問した。ただし数年前までは。今は、そのサイトは5年間更新されず、活動は凍り付いたままだ。お米も完売のまま。荒廃しかけた棚田を耕し、期待を一身に受け、また棚田は荒れ果てた。お金の切れ目が縁の切れ目。集まったメンバーは蟻のように補助金に群がり、蜜が無くなると仲良し同盟もサッと解散。もうさそのサイト、活動していないのなら閉鎖、削除したらいいのにと、お問い合わせするが返信はもちろんない。どーなってるのさ。

君らのおかげで最近、お役人のしでかすことを、みんな同じような目で見てしまうんだよなぁ。国会でも同様、大臣様の失敗も同様。すでに失敗したことを責任とらないから、田んぼも畑も荒れ果てたままじゃん。親分がこうだから、子分もそうなのだな。

今、列車の中では、太宰の代わりに、瀬戸内国際芸術祭の本を読んでいる。どうしても行きたい芸術祭なのだ。瀬戸内海に浮かぶ島々を舞台に、住人と芸術家がコラボしていろいろな作品を創造し展示しているのは見事な事業だ。よくあるイベントとは質が全然違う。いつか事務所のメンバーを視察と騙し、自分だけ1週間休みどっぷり、その世界に浸かりたいと思う。これまでの罪滅ぼしに、お遍路にいくという嘘もつこうかと思う。

三角線の車窓からもまぶしい海が見える。今日はリハビリの帰り、仕事も昼まで。天気もよく、気持ちも久しぶりにいい。春なのだ。横の座席に若い男の子3人が座り、うるさい。本が読めない。なんでこいつら楽しそうなのだ。3月は旅立ちの季節。そういえば、高校を卒業した僕は40年前の3月23日に京都行の切符を買い一人、故郷を旅立った。この3人は逆、三角に戻るのか。しかし、うるさい、楽しそうだ。うるさい、うるさい…楽しそうだな、うらやましいな。君らには未来がある、明るい未来も、暗い未来も。今更、自分の器量の狭さが残念だ。うるさい、うるさい、くやしい、眠い…

列車が止まり、終着の三角駅だ。眠りが覚め、駅舎を出ると、今やだれも手に負えないお荷物 (そんたくの象徴) 「灰色の海のピラミッド遺跡」の向こうには、何もない青い海がひろがり、漁船が横切り、カモメが青い空を横切った。仲のいい若者3人はリュックを背負い、またなと言って手を振りおのおの帰って行った。

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