面白半分 猫半分

人としての面白半分な日々と、猫とともに面白半分な日々。熊本在住。頭も半分、おバカさん。

よりそうふりして、引き延ばし突き飛ばす、カバ (終わらない水俣病)

よりそうふりして、引き延ばし、突き飛ばす、カバ(熊本県知事) 終わらない水俣病

 

水俣病が公式確認されたのが、1956年5月1日。(今から68年前) 国の公害病認定は68年9月。その後の裁判で被害を拡大させた国や熊本県の責任も確定した。裁判が終わらない限り、国も熊本県は今も加害者犯罪者。

不知火海は対岸の天草の島々を広く取り囲み、大きな円を描いている。もちろんお隣の鹿児島の出水市の海域も含まれる。つまり誰でも分かることだけど、有害な水銀を含んだ魚介類は大きな不知火海のエリアを回遊し、そのエリアで高濃度の水銀を含んだ魚をみんな食べて水俣病を発症したのだ。

嗚呼、それなのにその沿岸、全域の人々の水俣病か否かの健康診断を今も熊本県は実施していない。診断や補償するのは、国や県が決めたエリアの人たちだけ。その線引きから外れた地域の人の診断も補償も一切されていない。これ以上の補償額は払いたくありません。きっとあんたたちの手足のしびれは老衰から。(死ぬまで待ちます)というのが、冷酷な加害者、我が日本国と熊本県。だって全県調査したらとんでもない人数を、とんでもない金額で補償せないかんし、国は財政難だしアメリカのロケット買わないかんし。

判決が下る日の朝、熊本のNHKの朝のニュースでは、対象エリア外に住む女性が若くして、手足のしびれに悩まされ、見るからに水俣病の症状を表わしているのに、国や県は補償も何もしてこなかった。「今回の裁判はぜひ勝訴したかです」と呟いていた。彼女の向こうには、どんより曇った不知火海が広がっている。我が港町も対象のエリア外で、僕が中学の頃、突然、家の裏に住む漁師のお婆さんも足を引きずり路地を歩いていた。

更に、水俣病の診断のエリアは同じ水俣市でも山間部のエリアは対象外。都会の人は想像できないだろけど、昔は漁師さんが木箱に魚を入れて山間部まで魚を行商していた。山間に住む人が水俣病の症状を訴えても、行政の役人は「魚を食べた証拠に、その時の領収書を出せと」言い返したそうだ。(ここまで冷血な話は聞いた事がない)

去年の大阪地裁の判決では、国と県に「あんたら、ええ加減にせえ、水俣病で苦しむ人を早く救済せぇ」と言う妥当な判決だった。判決後、水俣病に苦しむ患者の人たちは熊本県庁に向かいカバ(熊本県知事)に面会を申し込み、控訴しないように訴えたが、カバ(熊本県知事)は無視、門前払いした。

カバ(熊本県知事)は、16年前、県知事選に立候補する時に水俣病で苦しむ人に「よりそい」、県政を担いたいと発言して熊本県知事に当選した。ところがカバは水俣病で苦しむ人を、よりそう(公約ではなかったのか?) ふりして、引き延ばし、暗い海に突き飛ばしたうえ、県知事を退任するのだ。

原一夫監督 ドキュメンタリー映画 「水俣曼荼羅」の1シーンで支援者の弁護士の問いにカバは、「私は法定受託事務執行官であります。判断基準は国が示します…」要するに、私は国の言いなりの歯車ですと、くどくど答えるシーンがある。(質問した弁護士は、そんなこたぁ、あんたに言われんでも、分かっている、あんたの気持ちを答えろと言っているのだ…)

こうして、ブログを書いているうちに、熊本地裁水俣病の訴訟団、原告全員の訴えを棄却したというニュースが飛び込んできた。その判決についてもカバはまともな返答をしなかった。なにしろ県知事選で弟子が苦戦中なのだ。水俣病どころではない。

沖縄の玉木知事を見てみろ。堂々と国に向かってアメリカの基地はいらんと抵抗しているではないか。国が何と言おうとも「今も水俣病で苦しむ人全員を最新の医療技術で診断、治療、補償します」の一言をカバは言えばいいのだ。

去年の秋、福岡で開催された水俣展を見に行った。ある展示コーナーで、当時のニュースの画像が延々と流されていた。当時の厚生大臣の園田直(熊本県選出)が、病院で重度の水俣病の患者をお見舞いする時の画像だった。おそらく30代くらいの女性患者がベットの上で体を、くねらせ、のたうちまわり、跳ね上がろうとし、押さえつけられ、首を曲げ、厚生大臣の前で突然「君が代」を歌い出した。かすれる声、音程の外れた「君が代」が病室、廊下の奥まで響く。園田大臣は急ぎ足で、その病室を去った。

歌う彼女は大臣ではなく、天皇が来たと勘違いしたのかもしれない。その画像は熊本のテレビ局の画像なのだろうか?悲しいかな、今の熊本の民放でまともに水俣病を扱うテレビ局はない。(不味いラーメン屋を紹介する番組は腐るほどあるが) 救いなのは NHKだけが、踏ん張って水俣病の特集を報道している。

嗚呼、今日(3月24日) 開票の熊本県知事選挙の結果はどうなるのだろう。もしカバの弟子の候補が当選したら、国の言う事しか聞かない歯車がまたひとつカチリと交換され、ギリギリと動き出すのだろうなぁ。その歯車が患者の首を静かに絞めつけ、苦しめ続ける。水俣病については国も県も加害者なのだ。その立ち位置忘れたら、いくらきれいごとを言っても、新知事もただの歯車の1枚に過ぎないのだ。