面白半分 猫半分

人としての面白半分な日々と、猫とともに面白半分な日々。熊本在住。頭も半分、おバカさん。

「ガザとは何か」パレスティナを知る緊急講義 岡真理 大和書房を読む

 

どうやら世界の半分 (特に欧米・日本人)はスマホでしか情報を得てないらしい。こう毎日、何度もデマ情報、フェイクニュースが繰り返されると、本を読む時間もないし、考える時間もコスパ、タイパで無駄な事と思い込む。円安円高、株を買いお金を賭け、スマホ1台で簡単便利に儲かりゃそれでいいのよ。どんだけ人が殺されようが海の向こうのお話。ホームラン1発で暗い雰囲気も一掃できますから。

先月、ラジコで文化放送の「大竹まこととゴールデンラジオ」を聞いていたら、「ガザとは何か」という本の著者 岡真理(早稲田大学教授)さんが出演されていて、今起きているパレスティナの問題を語られていた。とても緊急を要する問題で、イスラエルによるパレスティナへの虐殺について、どんなことがあってもやめさせようと語る岡さんの熱い思いが、大竹まことが話をさしはさむ余地がないほど圧倒していた。岡さんはパレスティナ、アラブ問題の専門家で、長年この問題と正面から向き合ってこられた。

岡さんは日本のマスコミの報道に憤りを隠せない。今パレスティナで何が起きているか、無知、無理解が故に、日本のマスコミの誤解を招く報道が国内に際限なく拡散され、本質から人々の目をそらす行為に腹を立てていた。そんなデマニュースが流されているうちにも、無実のパレスティナ、ガザの人々が虐殺されているのだ。この前、イスラエル軍が南部から撤退というニュースが流れたとたん、南部は更に爆撃され多くの人が亡くなった。誤報は訂正しろよな。

そのラジオを聞いて、岡さんが著した「ガザとは何か」パレスティナを知る緊急講義という本を買い、読む。

僕はようやく気が付く。パレスティナの虐殺は、欧米人の差別主義、植民地主義が原因で起きた事なのだと。第二次世界大戦後、差別、ジェノサイドに遭ったユダヤ人は結局、欧米人のエリアに国を作る事を許されなかった。そしてアラブ人のエリア、パレスティナ人が住む地に勝手にイスラエルの建国を許される。ユダヤ人の歴史、宗教の起源の話なんてどうでもよい。欧米人は自分らの都合でユダヤ人にアラブの地に国を作らせた。要するに新しい植民地を差し出したのだ。イスラエルも本性を現し、かって自分らが差別、虐殺された事と同じ事を平気でパレスティナの人々に行った。たかが戦後80年の期間の事。その期間の中、アメリカはベトナム戦争アフガニスタンイラク戦争と、世界のあちこちで戦争の火種をまき散らし、血に飢えた化け物のような国と化した。

今回のイスラエルのジェノサイドで、僕が理解できなかったのは、パレスティナがガザと、西岸に分断された理由だった。一般に西岸の地域は「穏健派のファタハが支配」し、ガザは「過激なハマース」が支配しているという…そんな定番の説明は嘘だった。岡さん曰く、穏健派のファタハというのは、欧米の操り人形政権にすぎない。(欧米が軍事訓練し、ファタハパレスティナ全体を支配させようとしたが、失敗、民主的な選挙でハマースが勝利した)。…結果、ガザは分裂、内戦が続き、パレスティナは西岸とガザに分断したのだ。それもこれも、アメリカと欧米のご都合植民地主義の結果だったのだ。反抗するガザをイスラエルは壁で包囲し、管理する。長年の差別や迫害、殺人で怒りが頂点に達したハマースはイスラエルを攻撃する。(国際法に基づいた抵抗権の行使)

パレスティナの青年が石を1個投げたら(抵抗権の行使) 彼の家族や住む家まで戦車で砲撃、破壊、殺害するのがイスラエル。石を投げた青年は危険なテロリストと言われ、殺されても仕方ないと言われる。おじいさんが丹精込めて育てたオリーブ畑に銃を持ったイスラエル兵が侵入し、追い立て、おじいさんが「神の木」というオリーブの木をなぎ倒し、畑を整地し略奪する。子供たちは泣き叫び、おじいさんは顔に手を当て地面にへたり込む。こんな心を冷えさせる動画が何度拡散されても欧米人は何も感じない。結果、ガザでは3万を超える無実の人々が虐殺された。世界の人々が見ている前で、人が殺されていく画像が流される。第二次世界大戦ユダヤ人をジェノサイドしたドイツ人もアメリカの次にイスラエルを軍事支援する。

年俸数億円の野球選手…彼の通訳が違法賭博で解雇されるニュースが繰り返し流される。日本の宗主国アメリカで、日本人もアメリカ様にあこがれているわけだけど大きな勘違いで、欧米人の差別、植民地主義に飼いならされているだけ。その大きな勘違いに気が付かないと、何年経っても奴隷のままなのだ。奴隷は更に弱い奴隷の頭を叩く。作家の村上春樹氏の言うように、僕は壁に投げつけられる卵の方に立つべきなのだ。勘違いしたらいかん、僕は差別される側なのだ。

この数週間、日本のニュースからパタリとイスラエルの虐殺の映像が途絶えた。パレスティナの人々が餓死に追いやられ、数万の人が飢餓に陥ると言う時期に。僕のスマホのXでは毎日、パレスティナの人々が殺され、子供たちの死体の動画が流されるのに、日本のニュースでは何も流されないのはどういうこと?欧米の国内でイスラエルの虐殺に抗議する人々の映像さえ流されない。

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僕は血の滴る携帯を、胸ポケットにそっと、しまい込む。