面白半分 猫半分

人としての面白半分な日々と、猫とともに面白半分な日々。熊本在住。頭も半分、おバカさん。

3月11日 街は閑散と

コロナウイルスの影響で町は閑散としている。景気も悪いが更に悪くなりそうだ。しかも出口が見えない。マスクもないぞ。「分け合えば余る。奪い合うと足らない」と言ったのは合田みつを先生か。この詩には続きがあり、「奪い合うと地獄、分け合えば天国」とある。死んでから天国に行けますよというのは宗教家の方便で、生きているうちに天国に行きたいものだな。

もともとカスミを食って生きている我が事務所。利益の上がっている会社が売り上げが落ちてあがいているのとは違う。いつも底辺。底辺をぶらぶらしてる。そのカスミを分けようと、カメラマンのトクさんに電話し、デザインのサポートの仕事を頼む。トクさん来たり。もう助成金もらいましたか?と聞く。無利子で2年間据え置き、保証人なしで、国が融資してくれるそうなのだ。トクさんどうやら200万はもらったそうだ。これはうれしい。貧乏人にぽんと200万。今夜は焼肉だ。トクさんの事務所に行くとコロナのせいではなく、朝から電話1本もない。トクさん曰く、静か午前。バカでかいホワイトボードも、仕事の予定の記載もなく、本当にホワイトな一日とオヤジギャグを言う。

うちもぽんと200万借りてぱっと行きたいが、借りた金は返さねばならぬので、借りるのはやめた。通販事業が何とか持ちこたえ、今からが勝負なのだ。ただ怖いのはアマゾンの倉庫でコロナウイルスに感染したり、ヤマトや他の配送会社が感染の為に仕事停止、又は仕入れ先が感染して製造中止となると、うちにも200万と言いたくなるが、さてさて、その200万を使い果たしたら、地獄となる。

今から9年前の3月6日にオヤジが老衰で亡くなった。そして11日の大震災。その夜、僕は帰りの車のラジオから、現地の状況を聞いた。ひたすらNHKのアナウンサーは被災した人を励ましていた。暗い避難場所の体育館で震えながら夜を過ごす人々。日が経つにつれその体育館にも死体が並べられていくのだろう。ラジオにリクエストの曲がかかる。沖縄の民謡、童神(わらびがみ)アナウンサーが何度何度も繰り返す、みなさん頑張りましょう…頑張りましょう…熊本の街の夜景はいつものままだ。東北の地に流れる、沖縄の童を抱いてあやす唄。この歌を聞くといつも泣けてくるんだよな。

 

あの世でオヤジも驚いたろうに。一気に人がやってきて。滅びの道を歩む、我が国。熊本にも大きな地震が来たが、またこれで街の滅びの速度が増すのだろうな。ヒタヒタと闇の中で。

でも沖縄だけは生き残るだろう。ちゃんとした神が居る島だから。