面白半分 猫半分

人としての面白半分な日々と、猫とともに面白半分な日々。熊本在住。頭も半分、おバカさん。

泣き猫はち

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はちはうちの裏玄関の物置の上の

コンテナの箱に住む、雑種の野良猫のオス。

 

2年ほど前からうちに落ち着いた。

白地に灰色の柄で、顔の中心鼻から口に「はち」の字に

白い毛があるのではちと名付けた。

 

性格はこれまでの猫の中でもっとも温厚。

この性格で野良猫がよくやっていけるものだと

あきれるくらい、気が弱い。

気が優しい。よく「鳴く」。

訴えるように「泣く」「泣き猫」なのだ。

 

夜中にウエスギさんところの大白猫に襲撃され、

近所に響く絶叫、「ギャーツ、ギャーッ!」

 

家猫7匹目の資格が充分にあるのだけど、

ハチは友人の帰りを待っているのだった。

 

仲のいい、同じ野良猫「ウズちゃん」

突然帰ってこなくなって3週間。

 

ウズちゃんもうちにたどり着いた

野良猫のオスだが、

人にはなつかずエサだけ食べに来ていた。

 

ウズちゃんは喧嘩もめっぽう強く、

大白猫「お狐様」と深夜に何度も決闘をした

 

ウズちゃんは半年前、大けがをして、

前足の両方のヒジを痛め、だらりと両足を下げ、

ほふく前進しながらも、エサを食べに来た。

そんなウズちゃんをはちはやさしく看病して、

いつのまにか二人は親友になった。

 

猫には猫の世界があり、

弱肉強食の野良の世界でも仁義がある。

 

何回も抱え上げ2階においでと説得し、

ベランダに段ボールで家を作り、

ベランダに慣れたら、感染症などを

獣医に診てもらい、去勢して

うちの7番目の猫となる。

 

しかし、はちは待つのだ。

一人、暗くて寒いコンテナの中で、

外猫の襲撃に怯え、震えながら。

 

猫どもには最初から、

何も失うものなどない。

 

人間が何考えているか、猫には分からない。

人間にも猫が何を考えているのかわからない。

 

ただ、はちがウズちゃんを

待ち続けているのだけは僕には分かる。