面白半分 猫半分

人としての面白半分な日々と、猫とともに面白半分な日々。熊本在住。頭も半分、おバカさん。

クリームのこと

猫神家の我が家、今、家猫として6匹在住。もちろんすべて、野良猫、迷い猫、猫の捨て猫どもの集まり。最後はチャーリーと言う名の、サイベリアン何とか風の大きな図体のオス猫だ。6匹目の家猫の座に滑り込んだ。外人嫌いの老いたる母は最初は大嫌いだったが、賢いチャーリーの振る舞いにほだされて、今や猫かわいがり、90近い母はチャーリーが居なければ生きていけないほどなのだ。それだけ猫にはいやし効果がある。もう6匹が限界の我が家だが、外猫で順番待ちしている奴がいる。優先順位1位のハチは、すでに人間の言葉が分かる。いつもにゃーにゃ―泣いて人の足元にまとわりつく。オスのくせにからきし弱虫で、何時も木の上に身をかくし、僕が出てくるのを待ち構えて、餌をねだる。ほとんど家猫状態だ。すぐにでも7匹目になる資格あり。ただし、いくら弱虫でも去勢手術は必須だが。家猫順位2位はハチと同じ柄のウズちゃん。これもオスだが、ケンカ早く、他の猫からの侵略には勇気を持って戦う。要するにうちがウズちゃんの縄張りなのだ。時に植杉さん宅の巨大白猫「オキツネ様」の襲撃にも反抗し、夜な夜な近所で大立ち回りをする。弱虫ハチを助けようという男気もあるのだろう。そんなウズちゃんもある時大けがをし、前足両方、ひじからだらんと垂れ下がり、大きな障害猫となった。いつもほふく前進状態で餌を食いに来てた。それでも何とかその障害もほとんど回復し、今や弱虫ハチといつも一緒の兄弟分になった。しかしウズちゃんは、どうしても人には懐かない。警戒し、ある距離になると逃げだしてしまう。それはそれでいいのだけど、それではハチだけ家に入れるわけにはいかないのが現状だ。そんな時に登場したのが、クリームだ。クリームは長毛で全んクリーム色した野良猫で、いつも困った顔をしている。クリームはこれまでの飢えた野良猫暮らしから、うちにくれば、お腹いっぱい餌を食べれることに気が付いたのだ。塀の暗がりでクリームはじっと待つ。ついにウズとハチとの戦いが始まる。クリームがくるとハチはすぐ身を隠す。歴戦の雄、ウズちゃんでさえ、クリームには全然かなわない。クリームはこれまで最強最悪の野良猫なのだ。仕方なしにクリームを追い払いハチとウズに餌をやる。クリームは塀の上でじっとそれを見つめている。これまでなら1匹くらい仲間にいれるのだが、クリームだけは厳しい、クリームは訴える、何故俺だけ餌をくれないのだ?と。悩みに悩む事態なのだ。猫に差別はいかん。特に我が家は猫神家なのだ。長い歴史の中で、どんな仲が悪かろうが、最後はみんな折れ合い、仲良く餌を食べていたのにクリームだけはオーラが違う。全然愛嬌も、かわいらしさもなし。唯一の特徴は、困った顔。これからどうなるか、家人は追い払って!と言うが、困った困った。人間にもこんな奴いるんだよなぁ。何の悪気もなく、乱暴で、嫌われ者で、孤独で。周りに分かってもらえなくて。そんな奴が。それでも生きている。