面白半分 猫半分

人としての面白半分な日々と、猫とともに面白半分な日々。熊本在住。頭も半分、おバカさん。

人生60からじゃい。

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年に1回、高校のクラブで同窓会として集まる機会がある。ふとしたことがきっかけで過去に逆戻り。ネットの世界は怖い。知らないうちに繋がり過去の友から連絡がきて繋がった。もともとそんな集まりには関心がなかったが、続けて多分10年近くなるのだ。当初は50歳過ぎて再会した。女子4人、こっちは男子2人。今やとうとう還暦部活同窓会となってしまったのだ。昔なら60歳にもなるとみんな落ち着き、余生を楽しむ風潮があったのかもしれないが、今の世の中そんなに甘くはない。一番つまらんのが男子のM。彼の人生は順風満帆。ほぼ公務員といってもおかしくない。奥さんも大病院の総婦長。レトロなバイクや車を買い集め、暇と金を持て余してる、要するに彼の話はちっとも面白くないのだ。ややもすれば上から目線の人生訓、自慢話に終わる。彼は僕の大嫌いな、宮本武蔵が大好きなのだ。ついでに言えば坂本龍馬明治維新もね。そもそも歴史上の偉人を自分の人生の手本にするの(男には結構いる)は幼稚な発送なのだ。政党でもあるなそんな名前。命がけというなら、失敗するなら死んで欲しい。

俺なんて60になっても、退職金ゼロ。手取り20万の人生。(猫と強運だけが自慢)何の貯金もない。以前、仕事で融資を受けた銀行員から「そこらのコンビニで働かれた方が手取りは多いですよ」と軽く言われたこともある。そんなこと言われると後になって腹が立つのだ。今度こそ病気になったら、生活費もない。何しろ来年10月までは車の運転も禁止なんで動きようもない。

再会から10年も経つと、女性陣にも変化があった。東京のTさんはシングルマザーで、娘もシングルマザー。4歳の孫がいる。今のマンション4000万。看護婦をしながら週に3回から4回居酒屋でバイトして、家賃返済して残金3300万。

地元のKさんは独身で、寝たきりの母親の介護で腰を痛めて診断は圧迫骨折、完治まで3ヶ月。最低1ヶ月は絶対安静なのだ。仕事の件もあり、介護の件もあり、その夜、一人泣けたそうだ。

人生60からじゃい。看護師の仕事のあと、東京の居酒屋で痛めた膝をかばいながら、焼き鳥の煙にむせながら顔の汗をぬぐう、Tさん。あと10年経ってもマンション代2000万は残るぜ。東京の軽薄な夜の闇は孤独で深かかろう。

Kさん、腰のコルセットで痛みに顔を顔をしかめながら、母親をかつぎあげる、君の頬の涙は止まらないだろうよ。君の苦労、悔し涙を誰も見ていない。

僕も、今度やったら、そのまま死ぬかも。いや、今度生き延びたら、見苦しい事この上ない。

我ら3人、生きている痛みに顔をしかめようではないか。こんな同窓会になってしまったのだけどさ、死ぬ間際までになって、出世を自慢してどうなる、お互いの不幸に苦笑いしょうぜ。