面白半分 猫半分

人としての面白半分な日々と、猫とともに面白半分な日々。熊本在住。頭も半分、おバカさん。

棄民と愚民…映画「水俣曼荼羅」からもうすぐ1年


熊本市名画座「電気館」にドキュメンタリー映画水俣曼荼羅」を見に行き、もうすぐ1年になる。上映時間372分の長い映画だ。しかしあっという間に見終わった。地元の水俣病の映画。満員の観客でではなかったが、それでも上演後の客席は熱気があった。幸運にも原監督のトークショウが見れて本も買い、サインももらった。

水俣病は終わった」なんで今更そんな映画をやるのか?僕の無知な友人の言葉だけど、僕自身も、水俣病については、国や県、チッソに罪があるとは知っていたが、今もって何故裁判が続くのかは疑問だった。そういう疑問は「水俣曼荼羅」で即、解決した。要するに国と県は、今も水俣病で苦しむ人を捨てたのだ。「棄民」したのだ。水俣病の判断となる検査法は、完全な手落ちで厳格そうに見えても、いい加減極まる…「水俣病」で苦しむ人を水俣病と認定せずに、高齢化で死ぬのを待つ方針でいることがよーく分かった。僕の家の裏は漁師さんの家で、そこのおばあさんは突然、足をひきずり歩くようになった。昼間でも薄い浴衣を羽織り、痛みをごまかすためか、焼酎を飲み、顔が赤かった。僕の両足の太ももの上は高校出る前まで、時にしびれて、その部分を鉛筆で刺しても痛みを感じなかった。僕も子供の頃たくさんの魚を食べたのだ。僕は今63歳、まさか自分の足のしびれが水俣病と関係があるとは思っていなかった。ところが10年近く前、同じ天草の健康調査で同じ年頃の人々が、足がしびれたり、痙攣したりした人がたくさん出て来たのだ。

映画の中での影のヒーローは、県民幸福度を謳い、くまモンのぬいぐるみで自分の無知をごまかす、東大教授上がりの蒲島県知事だ。彼は映画の中で「自分は、法定受託事務執行者」でありますと、答える。つまり「システムの中でしか動けません」と冷酷に繰り返し答え続ける。患者さんたちはそんな答えを求めているわけではなく、知事の生の言葉を聞きたかったのにね。そんな血も涙もない知事なら、AIに変わってもらった方がよい。

その「法定」自体が怪しく、いい加減な判決であり、県民の味方なら、国の判決に文句の一つでも言えばいいのに…支持者、自民党のパーティなんぞ出なくても票は集まるのにね。彼は水俣曼荼羅の映画が未来永劫上映されるたびに、自分の無能、冷酷さを全国、世界中の観客にさらされる罪を背負う。

熊本のマスコミで一番頑張っているのはNHK。水俣曼荼羅の紹介も番組でしっかり行い、監督のインタビューも放送した。先日また「くまもとの風」と言う番組で30分、水俣病なのに、水俣病と診断しない行政の検査のずさんさをきちんと報道した。カバ…いゃ、蒲島がやると言えば、約40万人とも言われる、患者さんの死ぬまでの苦しみが少しはおさまるのに。カバ…いや蒲島は熊本県民、水俣病の患者の「法定受託事務執行者」にはならないのだ。彼は40万人の水俣病で苦しむ人たちを棄民した。要するに棄民した方が安くつくわけだな。

カバ…いゃ蒲島は、今度は川辺川ダムの建設強行でまた全国に悪名を馳せた。水俣病の患者を「棄民化」し、五木村の村民を「愚民化」したのだ。この前なんてダム建設で駄々をこねる五木村にぽんと迷惑料100億を上積した。今まで復興基金の50億で充分ではないか。五木の愚民は喜々としているだろう。村会議員の土建屋の子分は大喜び。何かある度にカバはお金を恵んでくれる。何もすることないから、山をけずり道路をつくり、橋を架け、清流にコンクリ流し、魚が減ったと駄々こねて金をもらう。暇な村民はいつも、バンジーしてたらよいのに。これから村にはその100億を狙い全国から広告屋、コンサルが入り乱れるだろう。村はなにも考えずに、お金を払えばよい、どんどん頭が馬鹿…愚民化するわけだ。五木村の人口と同じ数1000名の地域興し協力隊の隊員を全国に募るという案もあるぞ。熊本県内の市町村の「地域振興費」はいったいいくら?小さな町の観光課の予算とか1年で100万あるかないかで、みんな悩んでいるのを横目にポーンと100億っていつたい?カバやん。(苦笑)

 

地域復興の名を借りた「村民の愚民化」大作戦。今もって五木村は村としてダムについて反対も賛成も、公言しない。当事者なのに。税金で支払う100億のお金はごね得かいな。

熊本県は棄民と愚民が住むアンバランスで不幸な県なのだ、五木の無駄な道路を走る度に、この100億の半分でもお隣の水俣病で苦しむ人の薬代にしてくれればいいのにと思う。五木の金まみれ「用途、不透明度日本一」の川辺川の清流は球磨川を経由し八代海に出る。八代海を南下すれば水俣湾だ。水俣曼荼羅で上映、告発された水俣の埋め立て公園から、また水銀が漏れ出している事件があるのに、その水銀を水で薄めることは出来ないだろう。

川辺川ダムに反対する人々に僕は言いたい。地域振興100億円について、黙って懐に入れた五木村の人々とちゃんと話をしないとダメだと思う。五木村で進む自然破壊について、批判しないとね。反対すればするほど、カバが又、迷惑料としてお金をばらまく口実にされるだけだからね。