面白半分 猫半分

人としての面白半分な日々と、猫とともに面白半分な日々。熊本在住。頭も半分、おバカさん。

何にもないのですっきりした。

年に1回だけ、高校時代の友人男女5人で同窓会をやるのだ。みんな山岳部で、あのころから40年近く経った。今は山に登るのは僕だけだが、去年のクモ膜下から山登りから山歩きになった。急な坂を登ろうとすると、息がつまるというか、脳が酸欠になるというか、体がまったく動かなくなるのだ。

僕らの山岳部は当時は先鋭的な?山岳部で、屋久島、1週間縦走とかインターハイにも男子は出た。しかし僕は出身高校(宇土高校)の同窓会には出ないことにしている、案内もすべて拒否。僕が出たのは田舎の普通高校で、変なエリート意識が嫌いなのだな。つまらん同窓会報(大学に何人合格したとか良いではないか!)を勝手に送り付けて寄付を強要するので、受け取りは全て拒否だ。

僕のひがんでいる点もあるのだが、近年公務員上りの人生安泰、悠々自適グループが、還暦同窓会開催でこれまでの自分にご褒美をということで「ハワイでゴルフしない?大会企画」の誘いには激怒した。

同窓生にはそんな勝ち犬だけいるわけではないだろうが。全く気分が悪い。おいら負け犬なんだから。(猫はたくさんいるが、猫族は負け猫なんて言わないぜ。人間、日本は犬族の上下、隷属関係で成り立つ国家だからしかたないが。)毎回集まる山岳部の同窓会では僕はそんな怒りをみんなにぶつけるのだ。(そんなに怒らなくても…)

ただ、今回、仲間の一人マツモトが化けの皮を曝しだしやがった。「9月の山岳部の同窓会欠席します。ところで最近バイク買いました。自分のご褒美に長野から取り寄せです。嗚呼、これで何台代目かな?毎月行く地元の行きつけのスナックでの飲み会では嫌味を言われるのだけど、バイク楽しみ♪…」要するに、負け犬のグループにこっそりうなずきながら勝ち犬が混じっていたのだ。

まぁいい。松本のことはどうでも。考えるだけでも無駄。腹が減る。

 

僕には何もないのだよ。60歳にして退職金、ボーナスもない。生活の保障もない、脳を手術、両手にしびれ、来年の10月まで車の運転禁止。僕の両手につかむものは何もないのだよ。

ただね、東京のT女子は、シングルマザーで子供確か4名。そのうちの娘が男に騙されて妊娠、そんな男忘れちまいなっ、と親子でシングルマザーとなった。熊本の自宅は地震で半壊。本人、看護婦で稼ぐも限界、週に4日近くの居酒屋で深夜まで仕事しているのだ。

もともと明るい性格だが、どんなに大変か。僕には何もないが、彼女は何もないどころか大きなハンデを背負って、60にして頑張っているのだ。

これを世間では自業自得と言う奴がいる。最近政治やマスコミに出てくる無責任コメンテーター、タレント、元やり逃げ政治家が上から目線で説教口調でのたまうのだ。彼らには、僕の話は高尚だから、負け犬グループは聞かなくてよろしいとはっきり言って欲しいのだ。

ただね、何もないと思うと、逆にすっきりするのだ。僕には思考しかない。自分へのご褒美もない。老後の資産運用も気にしなくていい。

60過ぎての人生設計もない、なにもない。75歳にならないと年金もらえないと、心配しなくてもいいのだ。「僕たちは生きているだけでいいのだ」と思う。それでいい。猫どもも達観している。「僕たちもいきているだけでいい」と思うから、毎日楽しそうではないか。

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