面白半分 猫半分

人としての面白半分な日々と、猫とともに面白半分な日々。熊本在住。頭も半分、おバカさん。

「一心腐乱」

 

もうすぐ、選挙が近い。過疎化の進んだ我が町の道を車で走ると、土建屋、工場などの入口には「一心不乱」という「のぼり」が立ち始める。保守系の候補者をわが社は応援していますという印なのだ。その「のぼり」の下では栄養の行き届いたぽっちゃり顔の候補者、その子分どものポスターが貼られてある。僕にはその選挙のたびになびく「一心不乱」とやらが「一心腐乱」と読めて仕方がない。

 

こんな過疎地だから、もう自力で会社は成り立たないから、国、県とのパイプとやらをちらつかせる候補者を支持し、仕事を回してもらうしかないのだ。それで高級車を乗り回し、社員、下請け、孫請けの社員まで養っていかなければならない。去年の統一教会の問題なんて「知らなかった」とみんなで言えば怖くない。道を作り、無駄な農免道路を作り、橋を架け、施設を造ればいいのだ。つまり「一心腐乱」。この街が嫌なら出て行けばよい。

2月26日にそんな我が町で開催されたのが「官民連携で三角町をリノベーション」というシンポジウムだった。

主催は、株式会社シークルーズ。モデレーターは木下斉さん、パネリストは熊本県副知事、市長、国交省のお役人、熊大の先生、JRの熊本支社長、シークルーズの代表取締役の面々。

僕は生まれも育ちもこの町だが、仕事は熊本市内。仕事の関係もあり、これまで木下さんの本や狂犬のブログも読み、これまで氏の活動や考えを支持してきた。友人知人にも役人や観光協会に関わる人が結構多い。ある親しい人に励ましの意味で、アマゾンで木下氏の本を数冊購入、贈呈したが…まぁ要らんおせっかいだった。(苦笑)そんな、木下さんが我が町に来るとは驚きでもあり喜びでもあった。

それにしても、すごいメンバーが来たものだ。木下さんが無駄な補助金は麻薬であり、補助金に依存したら町は余計にダメになると話す横には、つい最近、五木村にダム建設の迷惑料として地域振興基金をポンと100億上積した熊本県副知事が居る。ダムの問題はともかくあれだけ無駄な公園やら道路やら橋やら建設しまくり、それでも充分金あまりの五木村に今時100億とはなんと気前のいいものだ。木下論法で言えば五木村はまるで「シャブ漬け」の村なのだがね。観光事業でやることなすこと村は失敗だらけ。それでもシャブを打つわけだ。さらに横に座る、市長のもの欲しそうな顔がある。世界産業遺産の西港の裏山に「5億円もかかる」登山道は要りません。あなたが5億円?かけて作った桟橋は今も使用不可で、台風の時に、桟橋の塔のこすれる音が「うおーんうおーん」響いて地元民は眠れませんが。買収したラブホテルの跡地は、県内で最もコストのかかる駐車場になっています。

終着駅に夜中に着いた旅人は愕然とするのです。つまり、自販機しかない町なので、食堂は皆無、近くのスーパーを訪ねるにも人が歩いていないし…JR熊本支社長がお話されたマフィンの店は開いたり閉じたり。(もう閉店?)

シンポジウムの会場は、満員御礼だが、僕が想像するに前から10列目くらいの背広集団は市役所の動員はもちろん、主催者が呼んだ投資先や関心のある市内の飲食店のような気がする。要するに地元ではやる気も能力もないから、町全体を空き店舗に見立てて現地説明会の伏線があったのだろうと思う。残りの参加者はとりあえず町の関係者、商店主など。ついでに僕のような「文句ばかりをいう奴」

結論として、我が町の振興の最後の切り札は、木下さんらの動きにあると思う。お隣の上天草市との連携で観光ゾーンを活性化させる方法しかないのだ。ただ少し残念なのは、地元の農業との連携の話が出なかったこと。(地元のJAがややこしいからかもしれないが)

去年、市会議員選挙があり我が町の立候補者のチラシがうちにも配られて来た。見たのは数人だがどこぞで見たような、お粗末なものばかり。中には、島原行のフェリーを復活させるという「一心腐乱」した脳の議員のチラシもあった。

僕ももう60過ぎて残り少ない「文句ばかり言う奴」だがせめて、自分なりの我が町の振興案を考えて、「ご意見をお寄せください」とのメール先に振興案を送信した。

一番の案はJR三角駅の再興案、駅前の観光案内所に特産品を置きましょう。

以前開催され賑わっていた、駅前市を開催したらどうか。(ピラミッドの横の物産館から出店すればいいだけのはなし)。戸馳島の花の学校は、何故閉鎖されたのか?あれだけ蘭の販売で利益が出ているのに、何が原因で閉鎖されたのか?

みんな利権からみ、オヤジの意地の張り合いで、町の振興が思考停止ならば、その打開策を考えないと町はもう手遅れになる…

 

メールを2通送信して返事が来たのは1名だけ。(今もやり取りをしている)もう一人は、折角、商工会からみで立派なホームページを開設しながらも、完全無視だった。

そうして市会議員選挙は無投票。市民の声は何も、誰にも届かず、このまま終わるのかと思う時に今回のシンポジウムの案内があった。何もない我が町を復興させるのは、他社のチカラしかないのだろう。

出口にチラシが置いてあるのに気が付く。今夜は上天草で狂犬ツアーがあるのか…