面白半分 猫半分

人としての面白半分な日々と、猫とともに面白半分な日々。熊本在住。頭も半分、おバカさん。

映画「パーフェクトディー」を見た。(レビューではなし)

 

3月3日熊本唯一の名画座「電気館」で

話題の映画「パーフェクトディー」を見た。

 

この文章はレビューではない。あんまし、他人のレビューも読まん方が良い。

チャット何とかで書かれているような気がする。一方的に罵詈雑言書いているレビューも多いのが他人のレビューをマジに読まん方がいい。そういう物差しで世間を見てばかりいると何も感じなくなるぜ。君は誰?

 

自宅から電気館まで車で約1時間…途中、通勤で通る緑川の河川敷に菜の花が咲き始めていたので、河原に下りて写真を撮った。まだ花は8分咲だった。この河原沿いの道を、僕は毎日車を走らせ通勤するのだ。

 

 

パーフェクトディーの主人公、平山は夜明け前、近所で誰かが道を掃く「サッサッ」という箒の音で目を覚ます。その後、大東京をめぐる高速道、幾重にも張り巡らされた道路を小さな作業車で駆け巡る。彼を東京スカイツリーがいつも見下ろして居る。普通の映画のように大きなドラマはいくら待っても起らない。饒舌に、ストーリーを語る人も居ない。いくら待ってもやってこない。

 

僕の一日は朝6時前、遠くから聞こえて来る原付バイクのブーンと言う、軽いエンジン音で始まる。その音は僕の家の前で、パタリと停まり、郵便受けに落ちる、コツンと言う音で僕は目が覚める。朝刊が配達されたのだ。そして、遠く離れた熊本市内の北部で新聞配達店を経営する、ウノさんの事を思う。ウノさんはこの道40年近く、新聞の休刊日以外、新聞を配達してきた。彼の店は配達する部数も多いので朝2時過ぎから作業を始めている。そんな彼が今年の3月末をもち、奥さんの体調も良くなく販売店の経営を辞めると聞いた。店の仕事は過酷だ。盆も正月も、ゴールデンウィークも休みなし。娘の結婚式も、親族の葬儀も朝から新聞を配達してから出て来た。映画「パーフェクトディー」を見てウノさんの事を思い出す。

 

これが映画「パーフェクトディー」を見た僕の感想だ。新聞を配達しながらウノさんは、泣いたり、笑ったり、怒ったり、何かを思い出したりしたのだろう。

僕も海沿いの自宅から、国道を延々と走り、橋を渡り、緑川の河川敷の道に入り、河原に咲く菜の花畑の景色をここ20年走り続けて来た。春の風にそよぐ菜の花。河原に下りて風を感じるのは本当に久しぶりなのだ。